これは経費で落ちません!

法人税

こんにちは!税理士のきよです。

先週で終わってしまいましたが、NHKで「これは経費で落ちません!」という番組がありました。(面白かったです)

今日は領収書についての話です。

それって経費?

はじめて取引をするとあらゆる領収書を持参されるクライアントさんがいます。

「できるだけ経費で落として、ダメなものは先生の方で抜いておいて。」

いわゆる丸投げ方式です。

「無理!!」

「領収書=経費」と勘違いされている方がおられますが、領収書があるから必ず経費となるとは限りません。

逆に領収書がなくても経費になるものがあります。

冠婚葬祭費などです。

結婚式に招待されました。ご祝儀で3万円支払いました。領収書などもらいませんよね?

招待状の片隅に3万円と書いておけば、見た方は「結婚式に呼ばれて3万円払ったのね」とわかります。

この場合問題になるのは、どういう関係のある方の結婚式かということです。

身内、友人関係など仕事と直接関係のない人ならアウト!経費になりません。

「〇〇さんは得意先のA社の社員で、うちを担当してくれている人」といったように仕事と直接関係のある者に対するのが説明できれば、領収書が無くても堂々経費です。

領収書・レシートがあれば取引事実の証拠として有効ですが、大事なのは取引の内容です。

経費になるの?ならないの?

経費になるかならないかは取引の内容によります。

従業員がおらず社長のみで経営している会社に福利厚生費という経費は存在しません。

1人でお茶したり、食事したのを「福利厚生費」としても経費になりません。

私は書類のやり取りなどでクライアントさんとドトールやスタバで待ち合わせすることがあります。

一緒に入店してどっちかがまとめて支払いすればいいのですが、お店の中での待ち合わせなのでだいたい入店時間が前後します。

それぞれが商品を注文して会計を済まし、時間を前後して同じテーブルに着きます。当然レシートはそれぞれ一人分の支払いしか記載されていません。

この場合、私はレシートの裏面に「〇〇会社社長と会議」とメモしておきます。社長にも社長のレシートに「税理士と会議」とのメモ書きを指導してます。

この場合は1人のお茶代でも「会議費」として経費です。まとめて一方が支払わなければいけないというルールはないし、それぞれが仕事の上で必要な行為を行うために支出したお金で、たまたま互いに自分の負担分を各自で負担しただけのことです。

お品代って?

クライアントさんから記帳代行業務を請け負った時は、最初にこういうのは経費にこういうのは経費にならないよと説明したうえで、経費にならないものを経費処理して否認されたときはこういうペナルティー負いますよとも説明しています。

「〇〇文具店 ボールペン 〇〇円」とのレシートがあれば「〇〇文具店で〇〇円のボールペン買ったのね。借方 事務用品費〇〇円、貸方 現金〇〇円」

実務は取引をイメージしてみて想像で処理する、だろうだろうの世界です。

ボールペンのように誰が考えてもそれ以外の考えが出てこないような明確な取引ならいいのだけど、大手の百貨店などの領収書で「お品代」としか書いていないのは困りものです。

得意先への手土産? 社長のパンツ?

前者なら接待交際費、後者なら経費ではない。同じ「お品代」でも取り扱い方が異なります。

だいたい私自身が支払ってもらったレシートでも、自分で会計処理しようとする時「あれ?これなんだっけ?」というのがたまにあるのに、他人のレシートの内容が完璧にわかるはずがありません。 

「私は神様ではありません」

実際に処理する段階では「性善説」でへんなものは入っていないとの前提で処理していきます。

イメージできないもの、紛らわしいもの、イレギュラーなもの、金額の大きいものなどは確認します。

しかし100枚の領収書があったらその全部をクライアントさんから聞き取り、確認するなど時間的に不可能です。

領収書・レシートへのメモ書き

先のボールペンのように、誰が見てもわかる領収書・レシート以外は裏面への取り引きの内容のメモ書きを勧めています。

税務調査になり取り引きの内容の説明を求められた時、その内容を具体的・詳細に説明するのは納税者自身です。

今日提出したものを明日聞いてくれたら完璧に説明できます。でも調査では3年や5年前のことや下手すると7年位昔のこと平気で聞かれることあります。

3週間前の今日の晩に御飯何食べた?覚えているわけないし、それが普通です。

メモ書きは結構効果があります。実際即答できなくても、メモ書きを頼りに手帳やカレンダーから「あっ、そうそう!」と記憶を呼び戻したりできるものです。

3年5年先に聞かれたら回答できるかなぁ?できなさそうならばメモ書きしておいた方が良いです。

あくまでもメモ書きですから、記載されている金額に0を一つ加えるなどは書類の改ざんなので脱税です。絶対にしないように。

裏面へのメモ書きについてはあれこれ言われたことありません。

まとめ

経費で落とせるか落とせないかは領収書、レシートの有無より取引自体の内容が大事です。

その領収書の内容を3年後、5年後に聞かれて、明確に説明できますか?

自信がないもの、特殊なものにはメモ書きを。

先のボールペン、もし取引先の方にあげていたなら事務用品費ではなく交際費です。税法上の取り扱いが変わりますので、通常以外の使い方もメモ書きをしておきましょう。

あとがき

まだまだ暑い日が続いていますが、暑さの質が変わってきましたね。

秋らしいさわやかな暑さです。

ではまた!

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