こんにちは!税理士のきよです。
先日、「赤字、債務超過、欠損金って何?」という質問を受けました。
今日は、赤字・債務超過・欠損金についての解説です。
会社は基本的にもうけることを目的に設立されます。(もうける以外を目的としている場合もありますが)
「もうけ」とは
収益 - 費用 = 利益
この利益のことをいいます。
収益とは、商品を売ったり、サービスを提供したり、会社の固定資産を売却したりすることにより得られるお金です。(厳密にはお金だけに限らないのですが、イメージしやすくするためにお金とします)
費用とは、売るための商品を用意するための仕入れ、人件費、地代家賃、光熱費など、商売を行うのに必要な経費として出ていくお金です。
商売を始めた日(事業年度開始の日)から通常1年後の日(事業年度終了の日(決算日))まで商売をした結果、決算日において事業年度開始の日にあったよりもお金が増えていたら利益、減っていたら損失です。
収益から費用を引いて
収益 - 費用 > 利益 ⇐ 黒字
収益 - 費用 < 損失 ⇐ 赤字
ということです。
上の図を例にすると、収益1000 − 費用800 = 利益200 200黒字 となります。
債務超過とは、
今期は、収益500 - 費用700 = 損失200(赤字) でした。(損益計算書)
この損失により資産よりも負債が多い状態となってしまいました。(貸借対照表)
資産700 - 負債800 = △100 ⇐ この部分を「債務超過」といいます。
会社の経営は、毎期利益を出して常に右上がりに成長していくことを目標とし、そうであればありがたいことです。
しかし、現実は経営計画の誤算や周りの経済環境の悪化などにより赤字になってしまうことはしばしばあります。
たまたま赤字になっても 資産 > 負債 の状態ならなんとかなります。
ただ赤字の金額が大きかったり、毎期連続して赤字が続き、 資産 < 負債 の状態になると深刻な問題になります。
資産とは、現金や将来収益を生み出してくれる棚卸資産・固定資産など財産価値のあるものです。
負債とは、他人に返済しなければならないものです。
元手(資本金)すらなくなった状態で、負債の相手方が一斉に「返済しろ!」と取り付けされたら、資産が不足しているので破産ということになってしまいます。
債務超過の状態になったらできるだけ早くその状況を脱却しなければなりません。
ちなみに債務超過の状態では金融機関からの借り入れのハードルは極めて高くなるし、取引先から決算書見せてほしいと言われたとき取引自体が白紙になったりしてしまうリスクがあります。
欠損金とは税法上の用語です。
会計上の利益は 収益 - 費用 で計算しますが、法人税の課税所得は 益金 - 損金 で計算します。
原則として 収益 = 益金 、 費用 = 損金 なのですが、一部にイコールとならないものがあります。
益金 - 損金 > 0 なら差額が課税所得として課税されることになります。
益金 - 損金 < 0 なら差額が「欠損金」となります。
この欠損金は翌事業年度以降に一定の期間繰り越され、課税所得が生じた年度の課税所得から控除していいことになっています。
繰越期間は以下の通りです。
平成13年4月1日以後に開始した事業年度 | 7年 |
平成20年4月1日以後に終了した事業年度 | 9年 |
平成29年4月1日以後に開始する事業年度 | 10年 |
中小法人(普通法人のうち、期末における資本金の額が1憶円以下のもので、資本の額が5億円以上である法人等の100%子会社でないもの)、公益法人等、協同組合等及び人格のない社団等は「繰越控除前の所得金額相当額」を控除できます。
上記以外の法人は「繰越控除前の所得金額の50%相当額」が限度となります。
なお繰越は欠損金の生じた事業年度について青色申告書である確定申告書を提出し、かつ、その後において連続して確定申告書を提出していること、欠損金の生じた事業年度の帳簿書類を保存しておかなければなりません。
また中小法人、公益法人等、人格のない社団等には「欠損金の繰戻還付」という制度があり、欠損金の生じた事業年度の直前の事業年度に納付した法人税につき一定の還付を受けることもできます。
赤字とは 収益 - 費用 がマイナスの状態。 言い換えると 収益 < 費用 ということ
債務超過とは 資産 − 負債 がマイナスの状態。 言い換えると 資産 < 負債 ということ
欠損金とは 益金 − 損金 がマイナスの状態。 言い換えると 益金 < 損金 ということ
とまとめることができます。
昨日は同業者との勉強会の後、2次会で居酒屋。
ハイボール99円に惹かれ飲みすぎ(-_-;)
しっかり消費税が10%になっていた。(当たり前)