Categories: 税理士試験

税理士試験の勉強のしかた

こんにちは!税理士のきよです。

今日は、税理士試験の税法の勉強のしかたについて、消費税法を題材にお話したいと思います。

法規集の活用

理論対策として〇原やT〇Cなどの専門校の理論集を使われていると思います。

もちろん理論集がバイブルみたいになるのですが、法規集と見比べ、実際の条文と理論集の記述の違いを確認してみてください。

理論集は暗記しやすいように、但し書きなどで(ただし〇〇を除く)のように用語で書かれています。

実際に条文を見ると、(ただし法第〇〇条第〇〇項に規定する〇〇を除く)というふうに書いてあるはずです。

法第○○条第○○項ってなんだっけ?であるなら、その条文を確認しましょう。

すらすら言えるなら理論集に書かれているその規定も頭に入っているということです。

ここでたびたび誘導される条文は重要な条文なので何度も目にしていると勝手に頭に入っていきます。

条文の構成を常に意識し、いまどの部分を暗記しようとしているのかを確認することが大事です。

理論集だけを回転させていても、覚えた先から忘れていくのが普通です。

面倒くさいのは面倒くさいですが、今の時期は法規集と理論集の両輪活用で学習するという立体的な学習が理論が頭に残りやすく、直前期に威力を発揮します。

実務でも法規集のどこに書かれているのかわかっていれば仕事の効率がいいです。

クライアントさんに説明する場面においても、理論集広げて説明するのと法規集広げて説明するのでは、どっちが説得力あるかは明白ですよね。

通達の学習

消費税は法人税や所得税に比べ、試験範囲が狭いから本法・施行令・規則などはもとより、通達もしっかり理解しておく必要があります。

通達は一文字一句を暗記する必要はないけど、内容はきちんと理解しておかなければなりません。

今回の消費税改正に伴い公表されている「別冊消費税の軽減税率制度に関する取扱通達」を例にして解説します。

  (食品の範囲)

2 改正法附則第34条第1項第1号《31年軽減対象資産の譲渡等に係る税率等に関する経過措置》に規定する「食品(食品表示法(平成25年法律第70条)第2条第1項《定義》に規定する食品(酒税法(昭和28年法律第6号)第2条第1項《酒類の定義及び種類》に規定する酒類を除く。)をいう。)」とは、人の飲用又は食用に供されるものをいうから、例えば、人の飲用又は食用以外の用途に供するものとして取引される次に掲げるようなものは、飲食が可能なものであっても「食品」に該当しないことに留意する。

(1)工業用原材料として取引される塩

(2)観賞用・栽培用として取引される植物及びその種子

(注)人の飲用又は食用に供されるものとして譲渡した食品が、購入者により他の用途に供されたとしても、当該食品の譲渡は、改正法附則第34条第1項第1号に掲げる「飲食料品の譲渡」に該当する。

食品の範囲について上記のように記されています。

なんとなく読んでいてもなんとなく理解できます。でもここでやっていただきたいのは、アンダーラインを引いた部分がいったいなんであるかを調べることです。

オレンジのアンダーラインの規定を調べると、軽減税率の対象について記されています。一で飲食料品の譲渡、二で一定の新聞が対象です。ただし、一のうち外食とケータリングは除きます。

ブルーのアンダーラインの規定を調べると、「食品」とは、全ての飲食物(医薬品・医薬部外品・再生医療等製品を除き、添加物を含む)をいう。

グリーンのアンダーラインの規定を調べると、「酒類」とは、アルコール分一度以上の飲料をいう。

かなり省略して書きましたが、実際はもっと具体的に記されています。

大事なのは手間暇かけて調べることです。この通達を普通に読んだだけだとしたら、食品とは「人の飲用又は食用に供されるもの、工業用原材料や観賞用・栽培用は除く、購入者により他の用途に供されても「飲食料品の譲渡」に該当する。」を理解しただけにすぎません。

自分も普通に読んでいる一人でした。合格できないのは何が足りないからだろう?当時はよくわかっていませんでした。

もっと丁寧に勉強しないといけないのでは?と考え、調べるという作業に時間かけました。

今振り返ると、この丁寧な作業をすることにより、理解力が深まり、知識の定着度が増したので結果として合格できたのではと。

理論がなかなか暗記できないのは内容をきちんと理解していないから、計算で判断が迷うのは専門校での教材に出てこないところを知らなかっただと思います。

試験の試験範囲は専門校の教材ではなく、条文集です。ここを手間暇かけて丁寧にやることこそが合格に近ずくのでは、急がば回れです。

消費税の軽減税率制度に関するQ&A(個別事例編)

だまされたと思って「別冊消費税の軽減税率制度に関する取扱通達」を丁寧に勉強してみてください。

ラッキーなことに、この通達にリンク(?)しているような「消費税の軽減税率制度に関するQ&A(個別事例編)」なるものが国税庁のホームページにアップされています。

通達を一通り理解した後に問1から「答」を隠して考えてみてください。結構答えられますよ。

解答が思い描いたのと違う場合は通達と「答」の最後に書かれている参照を見て復習です。

問4のペットフードは普通は人が食べることを前提にしていないから10%。問9の氷はかき氷は8%、ドライアイスは10%。普通ドライアイスを食べる人はいない(危険)よね。みたいに意外と楽しいですよ。

どうせやるなら勉強は楽しい方がいいですよね。楽しみながらこれを実践したあなたは他の受験生より一歩も二歩も前に行っている可能性がありますよ。

まとめ

法人税や所得税のように試験範囲が広い科目には向かないかもしれません。消費税でも仕事とか学校とかの事情により時間に制約もあるでしょう。

どこまで掘り下げて学習するかは十人十色だと思います。先の例でいえば医薬品とは何?医薬部外品とは何?疑問をもったらきりがありません。あまりマニアックになる必要もないし、時間もないでしょう。

条文や通達に記載されている事項だけで充分だと思います。

試験の直前期はこんなことしてられないし、年内の今だからできることです。

でもこれをやっておくと直前期の理論の暗記がかなり楽になりますよ。体験者は語るです。

頑張ってみてください。

あとがき

日本ラグビー、強いぞ!!

なにがなんでもベスト8に入ってくれー!!

きよ

 横浜市を中心とした地域密着型の税理士事務所です。  法人設立、資金繰り、節税対策をど、主に法人の税務会計や経営のサポートを応援させていただいてます。  相互信頼のもと、クライアントが気軽に相談することができ、事務所は率直に意見を言うことができる、お互いが共存共栄できることを望んでいらっしゃる方を大歓迎します。    

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きよ

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