こんにちは!税理士のきよです。
今日は消費税の納付に関しての話です。
国税庁ホームページより引用 2019.10.14
上記の表は国税の滞納状況を示す表です。
税目で見ると消費税の滞納額の占める割合が高くなっています。
令和元年度予算での歳入の総額は約101兆4千億円で、そのうち消費税は19兆3千億円で19.1%を占めています。
所得税19兆9千億円19.6%に次ぎ、法人税12兆8千億円12.4%を超える水準です。
今回の消費税増税により所得税を超えて税収のトップになるのは確実です。
滞納税額の割合が高くなるのは当然かもしれません。
しかし、税金の性格から滞納税額が生じるという点も無視できません。
所得税や法人税は課税額が増えるのは儲かっているからであり、儲かっているから多少の現預金に余裕があることが多いです。
相続税なども土地・建物だけの相続で現預金がないとしても、相続した土地・建物を売却すれば現預金化することは可能です。
これらと違い、消費税は儲かっている・儲かっていないにかかわらず納税義務が生じます。
赤字で事業の資金繰りに困っていても、納付すべき税額は納付しなければなりません。
消費税の基本的な考え方は、お客様から預かった消費税から、他の事業者に支払った消費税の差額を納めればいいのだから、当然に差額分は手元に残っているべきです。
けど理屈通りにいくのであれば誰も苦労はしません。
では、滞納するとどうなるのでしょう。
国により以下の手続きが行われます。
①督促状送付…納期限を過ぎても納付がない場合、督促状が送付されます。
督促状を送付しても納付されず、相談もない場合には…
②財産調査…金融機関や取引先などに対し財産の調査を行います。財産調査の一環として、徴収職員が居宅や事務所などの捜索を行う場合があります。
納付の相談がない、納付の約束が守られないなど納付の意思が認められないような場合…
③財産差押さえ…動産(貴金属等)、債権(売掛金・預金等)、不動産などの財産の差押さえを行います。
④取立て・公売…差し押さえた債権の取立てを行います。動産や不動産等は、入札による公売を行います。
⑤滞納国税に充当…取り立てた債権や公売による売却代金を滞納国税に充てます。
どうしても一時に納付できないときは、とりあえず税務署の徴収担当に相談です。
居直ったり、税務署からの通知等を無視してしまうと、国は粛々と次の段階の手続きに進んでいくので、余計不利で困難な状況になってしまいます。
一定の要件を満たせば猶予制度の適用もあるので、相談し、納付計画を立て、誠実に計画を守れば身ぐるみはがされることはまずありません。
今回の増税によりますます消費税の納付がつらくなることが想定されます。
8%が10%になったということは、単純考えて今まで年間80万円だったのが100万円になるということです。
納付時期に納付が困難にならないためには、常に消費税を意識した財務状況の把握しかないのでは。
今納税しなければならないとしたらいくらになるのか、その金額を支払えるだけ現預金が残っているのか、いくら不足しているのか…などを期中において常に認識しておく必要があります。
国は以下の方法を推奨しています。
①ダイレクト納付…確定申告により納付することが見込まれる金額について、その課税期間中に、あらかじめ納付日や納付金額等をe-Taxに登録しておくことで、登録した納付日に預貯金口座から振替により納付(予納)することができます。
納付日や納付金額を複数登録することができますので、定期的に均等額を納付することや、収入に応じて任意のタイミングで納付することができます。
という簡単・便利な電子納税方式です。詳しくは
をご覧ください。
②任意の中間申告制度…中間納付義務のない事業者が任意の中間申告書を提出する旨の届出書を納税地の所轄税務署長に提出した場合には、自主的に中間申告・納付することができます。
③振替納税…個人事業者の場合、振替納税の手続きをすれば、納付期限を延ばすことができます。
平成30年分でいうと、本来の納付期限は平成31年4月1日が平成31年4月24日の振替日まで延ばせれるので約3週間先延ばしできました。是非活用してみてください。
この他に信用金庫の定積預金などを利用してみてはいかがでしょうか?
年間60万円の納付が見込まれるのであれば毎月5万円づつ積立ておけば、納付時期にあわてふためかなくてもいいですし、積立という取引を行うと取引実績になるので、融資を申し込んだときなにも取引実績がないより融資のハードルが低くなります。
とにかく納付しなければいけないお金は手元とは別にしておくことです。お金は目の前にあるとどうしても使ってしまいます。
納付が滞ると加算税や延滞税などが発生し、余計苦しくなります。
消費税の増税により納付の負担が増える可能性があります。
消費税の納税の見込み額を常に把握しておき、納税計画を立てておきましょう。
どうしても納付が困難な時は、迷わず税務署に相談を。
日本ラグビーすごい!!
目標であった予選リーグ突破は果たせたので、後は結果にとらわれず選手のみなさんが楽しんでプレーしてくれればうれしいです。
頑張れ!!日本!!
ではまた。